おそらく日本人にはあまり知られていないであろう台湾のおやつ「米糕粥」。
ドライ龍眼入りのもち米の甘いお粥。私が最初にその存在を知ったのは高雄の小さな夜市で。豆花などの台湾伝統スイーツの屋台で、名前が目にとまり、好奇心で買ってみたらこれが思っていた通りの懐かしの味でとても気に入った。
というのは、子どもの頃に祖母が時々「米糕」を作ってくれていた。祖母は、桂圓(ドライ龍眼)を混ぜたもち米を、茶碗蒸しのような蓋付きの器に入れて電鍋で蒸していた。甘いおこわのような感じで、おやつとして食べていた。
その懐かしの味に、お粥バージョンがあるのは高雄で初めて知ったのだけど、調べてみると主に南部で見られるものらしい。台北では少ないのだそうだけど、ぼちぼちと台北でも何軒か見つけては食べ比べている。
何軒か行った中で気に入ったのは萬華の「阿猜嬤甜湯」という老店。華西街夜市の北の端にある。
台湾は男性がお一人でスイーツを食べる姿をよく見かける。
この日も偶然おじさまばかり。
ここは、よそでは見かけない「紅豆米糕粥」というのがある。つまりは米糕粥に小豆をトッピングしただけなのだけど、とても合う。
白いのは、一緒に注文した白木耳蓮子湯。米糕粥は甘すぎず、龍眼の風味ともち米自体のおいしさを味わえる。きれいに炊けた甘さ控えめの小豆もおいしい。さらさら過ぎないちょうどよいとろみがまたよし。
このお店で特に目に留まったのは鍋の周りやステンレスのテーブルがピカピカなこと。こういうのを見るときっとここのスイーツたちも丁寧に作られているんだろうなと思う。遼寧街にいつもガラスもテーブルもピカピカなそんなお店がある。その話はまたいつか。
メニューは他に紅豆湯、花生湯、そのミックスなど。手前の鍋の中にあるのが米糕粥。
このお店と同じ通り、華西街のアーケードの中にも「北港甜湯」という台湾伝統スイーツのお店があり、佇まいも古くていい感じなのだけど、そちらの米糕粥は私には甘かった。麻糬という揚げたお餅が有名だそう。
持ち帰りにしたので、この写真は家にある器に入れたもの。 甘かったので、生姜汁を足して食べた。
東区のアイス屋さん「北門鳳李冰」(FB☆)にも米糕粥が。甘さは控えめでとろみもそんなに強くない。くせが少ないので初めての人でも食べやすいと思う。
ここは、花生(ピーナツ)、緑豆、芋頭(タロイモ)などなど台湾の伝統的なフレーバーのアイスが人気のお店で、米糕粥のアイスや、米糕粥のアイスキャンディーもある。
また北門鳳李冰から近くの「東門甜不辣」でも「桂圓糯米粥」という名前だけど同じく米糕粥が。ここのは少しとろみが強いように思うけれど、それもおいしい。
ここは米糕粥(糯米粥)が2種類あって、純糯米粥と伝統糯米粥。純の方はシンプルにそのままのもの、伝統の方は米酒や落花生の粉などをかけたもの。
台北でもどこにでもあるわけではない米糕粥。好き嫌いはちょっと分かれそうだけど、寒い日には温かいこんなおやつはいかが。
追記
石牌の日本人にも人気の「水龜伯古早味」でも発見。まだ食べていないけどいつか試してみたい。(けどあのお店は他にも魅力的なメニューが多いのでなかなか)